クラスターイオンビームの特徴

クラスターとは、原子又は分子が多数寄り集まって塊となった物です。元の原子又は分子が気体である場合はガスクラスターと呼び、ファン・デル・ワールス力により結合してクラスターを構成します。ガスクラスターは、高圧の材料ガスをノズルと呼ばれるラッパ状の細い管を通して真空中に噴出することにより生成されます。高圧のガスを真空中に噴出すると、断熱膨張によりガスが凝縮温度以下まで冷却され、お互いに結合し、クラスターが生成されます。生成されたクラスターは、電子衝撃法によりイオン化されます。これは、高速の電子がクラスターに衝突した際にクラスターから電子が弾き飛ばされることを利用してクラスターに正の電荷を持たせる方法です。イオン化されたクラスターは電界をかけることにより簡単に加速することができ、表面の加工や改質に利用されます。

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<クラスターイオンビーム照射装置の概念図>

クラスターイオンビームが固体表面に照射されると、低エネルギー照射効果、高密度照射効果、ラテラルスパッタリング効果など、従来の単原子イオンビームでは実現が困難であった新しい照射効果が得られます。低エネルギー照射効果を利用すると、極浅イオン注入を可能にし、次世代超LSIデバイスの接合形成、無損傷半導体表面プロセスが可能となります。ラテラルスパッタリング効果を利用すると、ナノレベルの超表面平坦化プロセス、難加工材の高速エッチングが可能となります。高密度照射効果を利用すると、超高品位薄膜の形成が可能となる他、反応性クラスターを利用した超高速エッチングが可能となります。本研究室では、このようなクラスターイオンビームを用いた超高速・高精度ナノ加工技術やクラスター援用蒸着法による高品位多層膜形成技術、さらにはクラスターを一次ビームとする高分解能SIMS分析技術の開発を行っています。また、分子動力学法を用いてクラスター照射シミュレーションを行い、クラスターの持つ照射効果の解明も行っています。


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<クラスターイオンビームの特徴>


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