計算機シミュレーションでみるイオン衝突現象

研究の背景

イオンビームはナノスケールでの表面加工プロセスに限らず、高精度の計測や医療など、幅広い分野で利用されています。 このような様々な機能を持ったイオンビーム技術を、さらに効果的に利用し先端技術に応用するためには、イオンビームと物質との相互作用を明らかにする必要があります。
計算機シミュレーションを利用した物質間相互作用の解析は、数々の高精度測定技術と共にイオン衝突過程を解明する強力な手法となっています。


分子動力学法

分子動力学法(Molecular Dynamics,MD)とは原子の位置関係から、それぞれの原子に働く力を求めることにより、原子の運動を直接追跡する方法です。したがって、イオンの衝突に限らず、結晶や分子の構造、分子の生成・乖離過程等、様々な物理現象のダイナミクスを視覚的に捕らえることが出来ます。
近年の計算機の高性能化や、並列計算環境の充実によって、多数の原子の運動を一度に扱うことができるようになっています。


低エネルギーイオン注入のシミュレーション

230eVのホウ素(B)がSi(100)表面に衝突し、注入する過程のMDシミュレーション。
Bの衝突を受け基板内にSi原子変位が生成され、後に回復する過程が見られます。



巨大クラスターイオンの衝突シュミレーション

原子の集合体であるクラスターを使ったイオンビームプロセスは、従来にない衝突過程を提供することから、様々な新しい応用が期待されています。  巨大クラスターの衝突では、上に示した単原子の衝突と異なり、表面に大規模なクレーター状の損傷が形成されることがわかります。また、等しいエネルギーでもクラスターの大きさを変える事により、様々な衝突効果を及ぼすことがわかります。


▲戻る

▲TOP PAGE